人間は価格が変動して需要と供給が調整される「市場」という経済機能を発明して以来、市場の相場変動を巡って、時には資産の評価益に陶酔するブームと、巨額の損失が経済・金融システムまで震撼させるバブルの崩壊を繰り返してきました。
若い世代では、1971年まで1ドル=360円の固定相場制があったことさえ知らない人たちが増えています。1973年から外為相場は固定相場から完全な変動相場の時代となりました。その後1998年に外為法の改正により、それまでの「為銀主義」が撤廃され、個人投資家も自由に外国為替取引ができるようになりFX(外国為替証拠金取引)が登場してきます。
しかし多くの人たちがFXを知るようになったのは、2007年4月に59歳の普通の主婦がFXで4億円の利益を上げ、1億3000万円を脱税したというニュースが流れ、こんなに儲かるFXってなんだ!とFXの注目度が一気に上がりました。
そしてこれを境に、ネット上ではFXの必勝法なるものが多く目につくようになってきました。
「秘密のFX手法公開」「月利50%、複利で倍々ゲーム」「勝率99%の必勝法」「FXで月50万以上稼ぐノウハウ公開」「スマフォ片手に8000万」「FXのカリスマが教える奥義」等々のキャッチコピーが今もますます賑やかに踊っています。
為替相場は相場のなかでも最も難しい相場と言われていますが、事実そうであると私は実感しています。
さてFX専業トレーダーになるということは、金融機関(銀行等)のマーケット部門に所属する為替ディーラーのなかでもスポットディーラー、あるいはプロプライアトリーディーラーと呼ばれる人たちと同じことをするようになるわけです。共通して言える最大の使命・目的は利益を出すという一点に絞られます。
外為ディーラーは刻々と変化する金融情勢を読み、瞬時に売買の判断をする。収益の単位も莫大ながら、一歩間違えれば大きな損失につながります。儲かる機会も大きい一方で、強い精神的プレッシャーを伴う仕事です。指示を出すディーラーと実際に売りさばくアシスタントディーラー。「早く売れ!」「馬鹿野郎!」・・・・、チーフディーラーの怒号が響き、ディーリングルームは良くも悪しくも喧騒に包まれた活気のある人間臭い場所です。
しかしこうした伝統的なディーリングルームの情景は、21世紀に入ってから大きく変貌してきています。データ処理能力の大幅な向上、情報伝送スピードの短縮、アルゴリズムや人工知能(AI)の研究の進展により、ディーリングルームは新たな次元に進化してきています。
欧米の各銀行やヘッジファンドでは早くからアルゴリズムを開発するクオンツやプログラマーの確保に力を入れてきて、一流大学で物理学やコンピューター・サイエンスを学んだ学生や博士号を持った研究者たちを大量に雇い入れ、人間のディーラーが直観として判断するものを論理的に解明してプログラム化し、ニュースを読むアルゴリズムを誕生させ、指標が発表されると、事前の予想値と実際の値を瞬時に比較して自動的に取引を執行する。
こうしたアルゴリズム・システムの間で、技術的に遅れた銀行は、進んだ銀行や「スナイパー」と呼ばれるヘッジファンドの餌食にされる、ミリセカンドの反応の遅れが損失となる為替相場の世界に変貌してきています。
だからといって、人間のディーラーがいなくなったわけではありません。
現実の為替相場の世界はこうした人間の頭脳と、機械とが競うい合う壮絶なバトルの世界であり、また世界中のメガバンクや金融機関、ヘッジファンド、保険会社などの機関投資家、大口投資家、実需筋企業等々、多種多様な参加者で織りなしているのです。
そこに私たちFX専業トレーダーは同じ土俵に立たされています。私たちは、相場すら作ることもできないただの提灯持ちだということを知らなければなりません。
まして、為替相場は世界中で起こるあらゆるファクターが絡み合って動く巨大なマーケットです。こういう現実をしっかり見据えれば、ネット上で目にするFX情報商材のキャッチコピーがいかに現実離れしているかお分かりいただけると思います。
兎にも角にも、世界のメガ金融機関の専門ディーラーが高度なシステム装備とグローバルなネットワークを駆使して展開している短期ディーリングに、私たち個人投資家(FX専業トレーダー)が挑戦し持続的に勝ち越すための手法を手にすることは、生半可な気持ちでは自分のものにしていくことはできません。
しかし、離脱関連法案の大枠への賛否は329対299で可決されているので、大枠では過半数を超える議員が離脱法案に賛成しているので、全くの混乱状態に陥っているわけではないと見ています。
今はEU側がどのくらいの延長をのむのか、EU側の出方しだいになっているけど、あまりにも短期であれば、英国は合意なき離脱に向かう可能性もあるのかもしれない。
この英国のブレグジット問題をめぐる状況は、混迷に混迷を重ねてきていて、多くの市場参加者は私を含め辟易しているのではないだろうか。
早く方向性を決めろよ!と、英国の政治家どもに怒鳴りたい気分。
自分の読み違いですから仕方がないです。